相続株を継続保有か売却するかの決断

体験談

20年前、父が亡くなったとき、約3,500万円分の株式を相続しました。

投資の知識もなく、株が何かもよくわかっていなかった当時の私が出した答えは「とりあえず全部持ち続ける」でした。

そのまま約20年が経ち、昨年退職を機に初めて真剣に向き合いました。
今日はその話を書いていこうと思います。

父という人

父は仕事一筋で、責任感が強く、子どもながらに心から尊敬していた人でした。

日頃から新聞やテレビで経済情勢を欠かさずチェックし、株式投資も積極的に行っていました。
経済に詳しく、自分なりの判断軸を持って投資していたと思います。

「そんな父が選んで買い続けた銘柄を、私が売ってしまっていいのだろうか。」
相続してしばらく時間が経った頃、そんな気持ちが湧いてきました。

知識のない自分が判断を下すより、父の選択をそのまま引き継ぐ方が正しいような気がしていました。
形見のような想いで、全銘柄を持ち続けることを決めました。

24銘柄の中身

改めて整理すると、相続した銘柄は24社にのぼっていました。

建設・化学・金属・機械・電気・自動車などのメーカー系、証券・保険などの金融系、陸運・海運・通信・電気・ガスなどのインフラ系と、業種は幅広く分散され、それぞれの業界で1位か2位の企業が多く含まれていました。

平均配当利回りが3.5%と、高配当を意識していたと思われる銘柄の選び方で、手堅い印象がありました。

今となっては、どういう投資方針で選んでいたのか、直接聞いてみたかったと思っています。

約20年持ち続けた結果

その後は大きく動かすことなく、毎年配当を受け取りながら保有を続けました。

ただ、正直に言うと、約20年間ほとんど中身を見ていませんでした。

一応3ヵ月毎にはチェックしていましたが、株価が上がっても下がっても「父が選んだ銘柄だから」という気持ちが強く、売るという選択肢が頭に浮かびにくかったのだと思います。

転機になったのは、昨年の退職でした。
会社を辞めるタイミングで、自分が持っているすべての資産を書き出して整理することにしました。

そこで初めて、24銘柄ひとつひとつの業績や株価の推移を真剣に確認しました。

結果、ここ数年の業績が芳しくなく、株価も長期間伸び悩んでいる5社を売却することにしました。
その売却資金は自分で調べて見つけた別の高配当銘柄に組み替えました。

一度細かく分析したことで、自分の中でひとつの判断基準が出来上がり、今後の資産運用にあたって、とても大事な経験になったと感じています。

相続株と向き合うときに考えたこと

本来「父が選んだから」という理由は、投資判断としては根拠になりません。
でもその気持ちを完全に無視することも、私にはできませんでした。

20年持ち続けたことを後悔しているかというと、そうでもありません。
配当を受け取り続けられたことには意味がありましたし、何も知らないまま急いで売っていたら別の失敗をしていたかもしれません。

ただ、一つだけ言えることがあります。「なんとなく持ち続ける」と「考えた上で持ち続ける」は、似ているようで全然違うということです。

私は約20年間前者でした。

同じ境遇の人へ

相続した株をどうするか迷っている方に、一つだけ伝えたいことがあります。

売ることも、持ち続けることも、どちらが正解かは状況によります。
ただ、一度は自分でしっかりと向き合う必要があると思います。

感情的な理由で持ち続けることを否定したいとは思いません。
ただ、感情と切り離した上で「それでも持ち続ける」と判断できるかどうか、一度確認してみてほしいのです。

私がそれをできたのは、相続から約20年経った後でした。
もう少し早くできていたら、と思わないでもありません。

※このブログは筆者個人の体験・見解をもとにした記録です。
特定の投資商品・手法を推奨・勧誘するものではありません。
投資判断はご自身の責任において行ってください。