今日、保有銘柄で3つのことが同時に起きました
今日9月29日、株式分割・自社株買い・配当落ちという、株価に関わる3つの企業行動が、同じ日にまとめて起きていました。
これまで「なんとなく知っている」つもりだった3つの用語を、この機会に改めて調べ直してみました。
今回はその内容と、実際に自分の資産にどう影響したかをまとめます。
株式分割とは
まず1つ目、株式分割から整理します。
株式分割とは、1株を複数の株式に分ける施策のことです。
たとえば「1株を15株に分割する」場合、保有株数は15倍になりますが、1株あたりの価値は理論上、15分の1に調整されます。
つまり、分割そのものによって保有資産の価値が増えるわけではありません。
「100万円分のケーキを、より小さく15切れに切り分けた」というイメージに近く、全体の量は変わらないのです。
では企業はなぜ分割を行うのでしょうか。
主な狙いは、最低投資額を下げて株主の裾野を広げることです。
株価が高いままだと、最低単元(通常100株)を買うのに数十万円〜数百万円が必要になり、個人投資家が手を出しにくくなります。
分割によって最低投資額を下げることで、より多くの個人投資家に買ってもらいやすくなります。
なお、東京証券取引所は2022年、投資単位(最低投資金額)の目安を50万円未満とするよう上場企業に要請しており、今年7月にも投資単位の大きい企業へ改めて要請を行っています。
株式分割は、こうした市場全体の流れに沿った動きでもあります。
【実体験】東京海上の15分割
保有銘柄の1つ、東京海上ホールディングス(780株保有)が、まさにこのタイミングで株式分割を行いました。
8月25日、東京海上は1株を15株に分割すると発表しました。
基準日は9月30日、効力発生日は10月1日です。
これにより、私の保有株数は780株から11,700株に増えることになります。
発表時点での最低投資額(100株)は約74万円でしたが、分割後は理論上約5万円まで下がります。
この「買いやすくなる」という期待も後押しして、発表後1ヶ月ほどで株価は10%以上値上がりしました。
個人投資家の参入増加が見込まれたことによる需要期待が、株価を押し上げた形です。
長年配当を受け取りながら保有してきた銘柄が、こうして時代に合わせて変化していくのを見るのは、会社の成長を見守っているようで嬉しい感覚でした。
自社株買いとは
2つ目は、株式分割とちょうど対になる施策、自社株買いです。
自社株買いとは、企業が自己資金を使って、市場に出回っている自社の株式を買い戻すことです。
買い戻した株式は消却されるか金庫株として保有され、発行済株式数が減少します。
株式分割が「株数を増やして買いやすくする」施策だとすれば、自社株買いは「株数を減らして1株あたりの価値を高める」施策です。
利益水準が変わらなくても、発行済株式数が減れば1株あたり利益(EPS)は上がるため、株価の下支え要因になりやすいとされています。
また、自社株買いは企業自身が「自社の株価は今、割安だ」と判断しているサインとして受け止められることも多く、株主還元の一環としても行われます。
【実体験】エヌビディア、史上最大の自社株買い
ちょうど昨日(9月28日)、保有しているエヌビディアが大型の自社株買いを発表しました。
取締役会が既存の自社株買いプログラムに1,500億ドル(約23.5兆円)を追加承認。
これにより、自社株買いの残り枠は総額2,350億ドル(約37兆円)に達しました。
この増額幅は、一企業の発表としては史上最大規模とのことです。
潤沢なキャッシュを事業投資と株主還元の両方に回せるという、企業としての自信の表れとも言えます。発表を受けて株価も上昇しました。
同じ「株価に影響する企業行動」でも、株式分割が「買いやすさ」を重視した施策なのに対し、自社株買いは「株主還元・株価の下支え」を重視した施策という違いがあり、対比して見ると理解が深まります。
配当落ちとは
3つ目は、配当を受け取る権利にまつわる株価の動きです。
配当落ちとは、配当を受け取る権利が確定した翌営業日に、その配当額分だけ理論上株価が下がる現象のことです。
配当の権利が確定する日(権利付最終日)の翌日を「権利落ち日」と呼びます。
これは「株価が本当に目減りした」わけではなく、配当を受け取る権利と引き換えに、株価が調整されているだけです。
配当込みで見れば、資産の実質的な価値は変わっていません。
配当落ち後、株価はどう動くのか
配当落ちで下がった株価が、その後の人気や需給によって元の水準まで戻ることを、「配当落ちを埋める」と呼びます。
業績への期待が強い銘柄や、人気化している銘柄ほど、値下がり分がすぐに埋まりやすい傾向があるとされています。
ただし、「何営業日で埋まるか」という決まった期間があるわけではありません。
市場全体の地合いや、その銘柄固有の材料によって大きく変わるため、埋まらないまま、しばらく低い水準にとどまることもあります。
【実体験】今日配当落ちを経験して
今日9月29日が、まさに保有している多くの日本企業の配当の権利落ち日でした。
資産評価額を見ると、一時的に大きく目減りしているのが分かります。
正直な感想としては、「保有資産も増えてきたので、結構影響が出るな」というのが最初の感覚でした。
ただ、同時に「これは一時的なものだ」と、以前より冷静に受け止められるようになったとも感じています。
金額として見えると身構えてしまいますが、その背景にある仕組みを理解していれば、必要以上に動揺せずに済みます。
3つに共通すること
株式分割・自社株買い・配当落ち。今日同時に起きたこの3つには、実は共通点があります。
それは、「株価は動くが、資産の本質的な価値がその瞬間に増減したわけではない」ということです。
- 株式分割:株数は増えるが、1株の価値はその分下がる
- 自社株買い:株数は減るが、1株あたりの価値が上がる形で株主に還元される
- 配当落ち:株価は下がるが、配当という形で価値が手元に移る
仕組みを知らないまま数字だけを見ていると、「株価が下がった」「株数が増えた」という表面的な変化に一喜一憂してしまいます。
ただ、その背景にある仕組みを理解していれば、同じ値動きでも受け止め方は大きく変わります。
今日という1日に3つがまとめて起きたのは偶然ですが、おかげで学び直しの良い機会になりました。
※このブログは筆者個人の体験・見解をもとにした記録です。
特定の投資商品・手法を推奨・勧誘するものではありません。
投資判断はご自身の責任において行ってください。
